ビートとは、甜菜(てんさい)砂糖大根などと呼ばれている物です。
ビートパルプは、そのビートから糖蜜を摂るときにできるものです。
製造工程で生まれる副産物の一つです。
ビートそのものは、人間用のボルシチの材料としても使われています。
アメリカ、中国、欧州、チリなどで生産されており、日本では北海道で生産されています。
>>ビートパルプは2種類ある?
前述したビートパルプは、製造工程で発生した純粋な副産物です。
しかし、ペットフードや飼料に使われるビートパルプはちょっと別物です。
通常ビートパルプは甜菜を絞って圧力をかけて取り出されますが、そんな手間を掛けずにビートパルプを抽出する方法があるのです。
その方法とは、硫酸系の薬剤を使って人工的に無理やり甜菜を溶かすというやり方です。
その時の搾りカスがビートパルプとしてペットフードなどに利用されます。
では、薬剤を使って抽出されたビートパルプが入っているドッグフードを食べるとどうなるか考えてみましょう。まず効果として、
という飼い主にとって都合の良い効果があります。
一見すると、とくに問題はなさそうですが、実はここに落とし穴があるのです。
- 便が固まるメカニズムは、
- ビートパルプを取るときの薬剤が便の排出を促す神経伝達を遅らせ、腸内に便が長く留まる結果、便が固まってしまうだけ。
- 便の臭いが抑えられるメカニズムは、
- 大腸に便が長く留まっていれば水分中のアンモニア臭が消えるだけ。
あまり体に良いとは思えないですね。
私個人の意見では、ビートパルプが入っているドッグフードは与えたくないです。
ビートパルプを使用しているメーカーは、『糖分や繊維の供給を目的としている。』と言いますが、糖分や繊維などは他の原料でもまかなえるハズです。
ビートパルプ自体が、主に牛の飼料としての利用が多く、次いでペットフードの原料として利用が多いのは、優れた栄養素などではなく、ただ単に安価だからです。
『安いから使ってます!』などと正直に発表するメーカーなどありません。
それを隠すために、ビートパルプに含まれている微々たる栄養素や繊維質を前面に押し出しているだけだという意見がほとんどです。
それを象徴するかのように、安いドッグフードにはほぼ100%ビートパルプが入っていますが、高額な良質なドッグフードにはほとんどビートパルプなど入っていません。
ドッグフードを安く大量に製造しようと思えば、ビートパルプはありがたい存在なのでしょう。
しかし、ちゃんと良質なドッグフードを作ろうと思えば、ビートパルプは使いたくない素材ということでしょう。
(実際にビートパルプは一切使用しておりません。と表示されているドッグフードもあるくらいです)
※ここで注意ですが、全てのビートパルプが薬剤を使用して抽出しているわけではありません。
糖蜜を摂るときに出る純粋な副産物を使用しているメーカーさんもあります。
ビートパルプを使用している全てのメーカーが必ず薬剤より抽出したものを使っているということを言っているわけではありませんのでご注意を。
もし心配ならば直接メーカーさんにお問い合わせ下さい。